2025年10月

ある日、自分の靴のかかとが片方だけ大きくすり減っていることに気づきました。
人は意識していなくても、歩き方に癖が出るものです。

浮気調査でも同じです。
本人は「普段通り」を装っていても、持ち物や行動に必ず癖や変化が表れます。
例えば急に香水を使い始めたり、財布の中のレシートに普段行かない場所が混ざっていたり…。

小さな“かかとのすり減り”を見逃さないことが、探偵の仕事なのです。

休日にふらっと立ち寄ったカフェで、隣の席に座っていたご夫婦が、同じスマホの画面を見ながら笑い合っていました。
「いいなぁ、こんな何気ない時間」と思いつつ、探偵の職業柄、つい心の中でこんな風に考えてしまいました。
――夫婦関係って、特別なイベントよりも、日常のこうした“ちょっとした共有時間”で支えられているんだよな。

浮気調査をしていると、依頼者様が一番傷ついているのは「裏切られた」という事実だけではありません。
「一緒に笑う時間が減った」「心がどこかに向いてしまった」――その“日常のすれ違い”こそ、心に深く残るものなのです。

だからこそ、調査後に寄せられる声で「真実を知って、ようやく自分の時間を取り戻せました」と言っていただけるのは、探偵として何よりの喜びです。

カフェで見かけた幸せそうなご夫婦を見ながら、日常を一緒に笑って過ごせることが、何より大切なのだと改めて感じました。